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HONDAのあゆみ

「風」に挑み、「風」と共に。

本田工業の歩み

【「風」との出会い】

1962年、慶応大学の工学部機械科を卒業して三機工業に入社しました。
配属されたのは、建材開発室。
ここから、風や雨などの試験装置と私の長い付き合いが始まりました。

もともと三機工業は、スチール製のレディメイドサッシを日本で初めてつくった会社。
その頃、アルミニウムは新しい金属素材として注目を集めていました。
そこで、三機工業では、そのアルミニウムをサッシに活用し、製品化することに取り組んでいたのです。
建材開発室での私のミッションは、アルミニウムがサッシとしての機能を果たせるかどうかを検査すること。

台風が来てもガラスが割れないか?
何メートルの風、どれだけの雨まで、サッシは耐えられるのか?
断熱性能は?
遮音性能は?
耐火性能は?

こうしたことを調べるためには、試験装置が必要です。
そこで、試験装置の開発に取り組んだのです。

【動風圧試験装置、完成】

3年後、ついに、動風圧試験装置は完成しました。

この装置は、三機工業が自社製品のテストを行うために作り上げたものですが、JIS認定を行う( 財)建材試験センターも、試験装置が必要だということで、同じ装置を納品することになりました。

実は、私の三機工業での仕事は、建材試験センターに納品して終わりました。
実家が建材商社を経営しており、その後を継ぐために、会社を辞めて、父の経営する本田工業に入社したのです。

ところが、私が退社した後、日軽アルミ・昭和アルミをはじめ、いろんなメーカーがアルミサッシの製造を開始しました。

私のつくった装置そのものがJISの試験基準となっているため、各メーカーもJISを取得するために、同じ装置が必要になったのです。

まず、三機工業に問合せが入り、そこから私のところへ連絡が入りました。

「あの装置をつくってくれないか」と。

【原点】

本田工業は商社だったので、技術者は誰もいません。
一人でその仕事を請け負い始めました。

初めは三機工業を通して仕事を受けていたのですが、三機工業もアルミサッシの生産から撤退したこともあり、1968年、三機工業にあった特許を買い取りました。
この時に快く特許を譲っていただいたことが、当社の発展の原点となりました。

私の開発した動風圧試験装置は、圧力を自由に変化させることによりチャンバーの内部に台風を作り出す技術です。

【展開:新たなフィールドへ】

その後、様々な試験装置の開発に取り組んできました。

風・雨に加え、窓の断熱や遮音を試験する装置。

風洞は、ユニフォームな風、つまり、乱れのない風を吐出口全体に同じ風速を吹き出す装置です。
大学との連携など、あらゆる努力を重ねて開発に成功しました。

一方近年では建材も進化し続けています。
高層ビルのカーテンウォールや全面ガラス張りのファザードなど地震が発生した時、どの程度のゆがみやたわみでガラスが割れるかを測定する耐震装置も開発しました。

【自動車試験関連装置に本格参入】

2000年からは、最も試験・検査の厳しい製品のひとつである自動車用の環境試験装置の開発に取り組み始めました。

これまで当社が培ってきた風・熱・雨などを測る技術力を結集。

環境試験装置は、建築物の外壁等で経験していましたが、自動車の試験は「ここまでやるのか」と。
今や車は100以上のコンピュータを搭載し、ヒトの命を運ぶものですから、試験装置に対する要求も厳しい。

当初は、パワートレイン系試験装置からスタート。
カーエアコンやラジエータ、ターボチャージャーなどの性能試験装置を開発。
そこから、パーツだけでなく自動車全体を試験する装置へと拡大。
実車総合試験装置においては、風洞の中にある自動車に風を送り、車体の表面における風の動きを測定する実車風洞用トラバース装置をはじめ、車輌走行模擬試験装置、低圧環境シャーシーダイナモ試験室などを開発。
今では、国内メーカーはもとより、世界中の自動車メーカーで当社の試験装置が使われています。

これからも当社の技術力とノウハウを最大限に発揮し、あらゆる自然のシュミレーションを可能にする試験装置の開発に取り組んでいきたいと考えています。